有馬温泉で伝統行事「入初式」 蒋介石の書「訪日客誘致につなげたい」



 日本最古の温泉とされる有馬温泉(神戸市北区)では2日、「有馬温泉入初式(いりぞめしき)」を開催した。有馬温泉を発見したと伝わる大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)に加え、有馬温泉を再興した恩人とされる僧侶の行基と仁西の恩に報いる儀式を通じて、今年1年の温泉の安全と繁栄を祈った。

 入初式は江戸時代から続く伝統行事といい、毎年1月2日に開催する。温泉寺(神戸市北区)から儀典の衣装などで着飾った約100人の行列が、会場である有馬小学校まで練り歩いた。儀式は神事と仏事の両方にわたるのが特徴で、さらに芸妓らによる「湯もみ」や「はらい行事」などを伝統に従って披露する(動画)。朝方は気温が氷点下になる寒さの中、多くの関係者や観光客が集まった。

 儀式の終了後にあいさつした有馬温泉観光協会の金井啓修会長は、「昨年の漢字が『災』であったように、自然災害に襲われて客足が鈍った時期もあったが、『災いを転じて福となす』という言葉のように、災害を乗り越えて新たにお客さんに来ていただくことを考えなくては」と今年の抱負を語った。

 さらに金井氏は、蒋介石が1927年(昭和2年)に有馬温泉に立ち寄った逸話に触れ、その際に残した書を観光案内所に展示していることを紹介。「中国語圏の人が記念写真を撮っている」といい、今後は訪日客の誘致に積極的に活用したいと話していた。

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