神戸製鋼、子会社2社の訴訟が終結 原告が訴え取り下げ

 神戸製鋼所は10日、品質検査データの改ざん問題を巡って起こされた訴訟のうち、同社が90%を出資する神鋼メタルプロダクツ(北九州市門司区)と、55%出資するコベルコマテリアル銅管(東京都新宿区)の2社について、カナダで起こされた訴訟が終結したと発表した。カナダのブリティックコロンビア州上位裁判所への訴えを、原告が取り下げた。

 原告は2社が製造した自動車向け金属製品を使って製造した自動車の購入者で、金属製品が自動車メーカーの仕様に適合していなかったのに、適合している金属製品で作った自動車に比べて不当に高い対価を支払った損失を受けたとして訴訟を起こしていた。ただ原告は現地時間3日に、訴えを取り下げると裁判所に届け出たという。

 神戸製鋼は、原告とのやり取りの有無などを明らかにしていない。訴訟の終結による業績への影響はないという。2社について訴訟は終結したが、神鋼アルミ線材(堺市西区)、日本高周波工業、神鋼鋼線工業が全額出資する神鋼鋼線ステンレス(泉佐野市)に対する訴訟は継続中だ。残った訴訟について神戸製鋼は「引き続き適切に対応する」(広報担当者)としている。

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