シスメックス、血液中「HDL」の機能測定を受託 動脈硬化関連など研究用

 シスメックスは「HDL」と呼ばれる血液中のコレステロールを回収・運搬する物質の機能や能力を測定するサービスを開始すると発表した。血中脂質などに関する研究者を対象に、機能の測定を受託する。臨床研究の場面などで、新たにHDLの機能や能力を測定する需要が増えてきたことに対応する。HDLを対象にした幅広い分野の臨床研究を支援し、動脈硬化関連の予防や治療などにつなげたい考えだ。

 従来はHDLが運ぶコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)の血中濃度は高いほど良いと考えられてきた。だがLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)を下げる薬を投与した患者のHDLコレステロール値を上げても、急性心筋梗塞や脳卒中の発症は減少しないとの報告もある。このため近年では血中濃度に加え、HDLがコレステロールを回収・運搬する機能・能力に着目する研究が増えているという。

 これまでHDLの機能を測定するには、測定の作業が複雑であるうえ特殊な設備も必要で、検査は数日かかっていた。シスメックスは神戸大学医学部との共同研究の成果を取り込むことなどで、新たな測定システム「研究用全自動高感度免疫測定装置 HI-1000」を開発。これを使うことで約30分で機能測定ができるようになった。研究者から預かった試料(検体)を検査し、HDL機能を測定して結果を返却する。

 このほかシスメックスは「研究用全自動高感度免疫測定装置 HI-1000」で測定可能である、HDL機能以外の測定も研究用に提供する。さらに顧客の需要に応じて試薬開発の受託など、同社に蓄積があるノウハウを活用した研究支援を随時受託していくという。

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