9月の神戸港、輸出入総額が10%減 20カ月ぶり前年比減、2度の台風が影響
- 2018/10/18
- 15:42
神戸税関が18日に発表した9月の貿易統計(速報)によると、神戸港を通じた輸出入総額は前年同月比10%減の6811億円だった。輸出入総額が前年同月を下回ったのは20カ月ぶり。台風21号と台風24号の影響で荷役ができる日数が減少したほか、台風による高潮で貨物や荷役設備などの一部が被災したことなどが影響。輸出額、輸入額とも減少した。今年に入って前年比10%程度の増加と好調に推移していた、神戸港の貨物の伸びに水を差した。
神戸港の輸出入総額が全国に占めるシェアは前月比0.7ポイント低下の5.1%になった。このところ6%前後で推移していたが、2014年1月(4.9%)以来の低水準になった。好調な世界景気を背景に国内の港湾から輸出が伸びるなか、神戸港の機能が短期的に低下したのが影響したといえる。もっとも高潮による冠水で滑走路を閉鎖するなど被害が大きかった関西国際空港は、輸出入総額が前年同期比63%減と大きく落ち込んだ。
神戸税関では、関税に関する申請などの期限を延長したり、程度に応じて被災貨物の評価を見直して関税を軽減したりと、輸出入が円滑に進むよう「柔軟に対応した」という。ただ、屋外に駐車して輸出に備えていた中古車など、貨物の被災で輸出自体を見送る動きも一部で広がり、輸出入総額の減少につながったもよう。
輸出額は前年比11%減の4386億円だった。建設用・鉱山機械の輸出が30%減の178億円と大幅に減少。発電設備などに使う原動機も17%減の239億円と減少が目立った。半面、中国向けの化粧品が伸びたことなどで、精油・香料および化粧品類は輸出額97億円と9月としては過去最高を記録。電池材料などの無機化合物も9月としては過去最高の輸出額(101億円)だった。
輸入額は7%減の2425億円だった。たばこや医薬品、穀物および同調整品の減少が目立った。一方、肥料などに使われる有機化合物や、衣類および同付属品の輸入は増加した。輸入元の地域別でみると米国、欧州連合(EU)が減少した半面、中国を含むアジアからの輸入は増加した。
9月の平均為替レートは1ドル=111円13銭。前年同月の109円48銭に比べ1円65銭の円安・ドル高だった。輸出額と輸入額を差し引きすると、神戸港での輸出超過額は前年同月比15%減の1960億円だった。
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