日銀神戸支店が11日に発表した管内の金融経済概況では、景気の基調判断を「輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、基調としては緩やかに回復している」と2016年４月以来の見方を据え置いた。金融環境も引き続き緩和的に推移しているもよう。

　個人消費について日銀神戸支店は「一部に弱めの動きがみられるものの、底堅く推移している」との見方を据え置いた。前月同様に百貨店の売上高、スーパーの既存店売上高とも前年を下回った。主要ホテルの客室稼働率は高水準ながら前年同月を下回った。一方で家電販売は引き続き「緩やかに持ち直しつつある」との見方を示した。

　輸出については「横ばい圏内で推移」、設備投資は「増加している」との見方を据え置いた。公共投資も引き続き「持ち直しつつある」とした。金融面も引き続き緩和的。神戸支店の管内金融機関による貸出残高が前年比1.2％増加した一方、貸出約定平均金利は前月比で0.002％低下の1.302％だった。預金残高は前年比2.2％増加した。

　日銀神戸支店は６月１日に開設90周年を迎える。17年最初の金融経済概況である今回から、発表資料に記念ロゴ（図＝日銀の発表資料より）を入れた。

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