ラッセル米元国務次官補「早ければ春に米朝衝突も」 19年に4つの地政学リスク

20181127ダニエル・ラッセル氏

 ダニエル・ラッセル米元国務次官補(東アジア・太平洋担当=写真)は27日に神戸市内で講演し、2019年の世界情勢について「4つの地政学リスクが考えられる」と指摘。このうち、米朝関係については「早ければ春にも衝突がありうる」との見通しを示した。米朝関係以外では、国際テロリズム、中東問題、米中貿易摩擦を19年の主要な地政学リスクとして挙げた。

 北朝鮮問題についてラッセル氏は「2019年に危機がないとみるのは難しい」との見方を示した。トランプ米大統領は特に条件を付けずにシンガポールで北朝鮮の金正恩委員長と会談したほか、秋の米韓軍事演習を中止するなど、これまで北朝鮮に「同盟国が驚くほど」譲歩した。半面、ここにきて北朝鮮は予定されていた米国務長官との会合をキャンセルするなど、「瀬戸際外交に逆戻りしている」と指摘した。

 結果として朝鮮半島の非核化は進んでいないのが現状だ。そのうえで、来年3月にも実施する次回の米韓軍事演習について、マティス米国防長官は「縮小しても中止はしない」としている。これに対して北朝鮮は挑発的な行動と取りかねない、とみている。

 ラッセル氏は、神戸市が主催した「アジア物流フォーラム」で講演した。「2019年の世界経済の動向」がテーマ。ラッセル氏は世界景気の減速が鮮明になる中で、2019年は「チャレンジが多い」との見通しを示した。その中で同氏の専門分野である地政学リスクに言及した。

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