英グリップル社長「日本でも自信持って薦めたい」 年7.5億セット出荷ワイヤー金具

 10月に日本法人「グリップルジャパン」本社を神戸市兵庫区に開設した英国の建設資材メーカーであるグリップルで、グローバルの事業を統括するエドワード・J・P・スタッブス社長(1枚目の写真左)は、日本国内での活動について、世界約90カ国に「年7億5000万セット出荷しているワイヤー金具を、日本の顧客にも自信を持って薦めたい」と話した。日本法人の本社を神戸に開設した理由には「物流の利便性」などを挙げた。スタッブス氏はこのほど、新設した日本法人本社で神戸経済ニュースの取材に応じた。
 
 取材にはスタッブス氏のほか、日本などを担当する役員のエリック・ラローシェ氏(写真右)、日本法人の牧野貴浩社長(写真左から2人目)、営業担当の関智洋氏(同3人目)が同席した。主なやり取りは以下の通り。

20181118グリップル集合写真

 --「グリップル」は、どのような会社ですか。

 スタッブス氏「ワイヤーを接続する金具をシステムとして提供しています。英国の中部にあるシェフィールドという街に本社・工場を置いています。ワイヤー金具は世界の約90カ国に輸出しており、英国の工場からの出荷数量のうち87%が輸出です」「当社のワイヤー金具は、年間で7億5000万セットを世界に向けて出荷しています。日本のお客さまにも自信を持って薦めたい」

 関氏「用途としては、たとえば天井裏の設備を耐震目的で振れ止めとして固定する場合などです。現在は全ネジというネジ等を使用する事が多いですが、その代わりにワイヤーを適切に使用できれば、強度も保てます。また、建物の軽量化、設置時の工程削減、建設資材の軽量化を実現し取り付けのための熟練した技術も必要ありません。人手不足の時代にはお役に立てると思います」

 --日本での事業はどのように計画していますか。

 ラローシェ氏「日本は世界有数のGDP(国内総生産)が大きな国であり、大きな建設市場があります。これまでは代理店経由で当社の製品を販売していましたが、やはり直接市場にアプローチする必要があるだろうと考えました。最初は小さい陣容でスタートして、少しずつビジネスの規模を大きくしていくのが、たった1つのアプローチだと思っています」「特に日本は地震が多い国と聞いています。当社の製品が役に立つ場面も多いのではないでしょうか」
 
20181118グリップル商品

 牧野氏「これまでグリップル製品を気に入ってお使いいただいていたお客さまも大切にしながら、一方でグリップルのその他の製品の、さまざまな使い方を幅広いお客さまに提案していきたい。そのために神戸の本社は事務所だけでなく、R&D(研究・開発)施設を設け、いろんな実験ができるようにしています」「お客さまから『こんなことできないか』というのをうかがってきて、ここ(本社)で試して、新たな使い方を提案する、といったことを進めていく予定です。アタッチメント(付属品)の種類が多く、さまざまな用途に使えるのも当社製品の特徴(2枚目の写真)なのです」

 --日本法人本社の場所に神戸を選んだのは、なぜですか。

 スタッブス氏「やはり英国から製品を運ぶのに、物流が便利であるというのは大事なことだと思っています。神戸は日本でも有数の港湾です。それに、人を大切にしたいと考えている当社としては、(日本法人社長の)牧野さんが快適に仕事できる立地というのが最も重要なことだと考えました。そして、神戸に来てみて分かったのは、人があたたかいですね」

 牧野氏「グリップルの製品を扱っている代理店が大阪にあるので、そちらとも連絡が取りやすいように大阪の周辺で拠点を探しました。そうした中で、神戸市さんやジェトロ(日本貿易振興機構)神戸さんの誘致がとても熱心で、本社の立地を探すうえでも、とても親身に相談に乗ってくれました。それが最大の理由です。もともと神戸に自宅がありましたので、通勤も快適です」

(聞き手は神戸経済ニュース 山本学)

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