上山ワールド社長「連結純利益も最重要指標に」 株価「納得していない」

20181113上山ワールド社長

 ワールドの上山健二社長(写真)は13日に東京証券取引所(東京都中央区)で開催した報道機関向けの説明会で、これまで経営の最重要指標としてきた「コア営業利益」(国際会計基準)に加え、「上場したからには連結純利益も最重要指標に加える」と語り、株主への利益配分を重視していることを強調した。現在の株価については「納得していない」といい、同日発表した配当金の増額や自社保有株の消却も株主の利益を配分した措置の一環であることを強調した。

 説明会では改めて同社の事業方針を説明。中期的に、従来のアパレル事業でない事業の比率を50%に高めるとの方針を重ねて示した。上山氏は、2010年前後に3100店舗、90ブランド程度あった店舗数やブランド数が、17年度末に2489店舗、55ブランドになったことを示し、「筋肉質で利益が出やすい体質になった」と説明した。

 さらに多店舗多ブランドを展開する中で、店舗デザインなどの「空間」、製造や製品の調達などの「生産」、業務間の連携など「ビジネスサービス」、店舗網の「販売」、ネット通販や物流など「デジタル」と、5系列の「プラットフォーム」(共通基盤)でアパレル事業を効率的に展開できるようになったことを説明。同業だけでなく異業種の他社も活用できるプラットフォームとして拡張することで、利用料収入などにもつなげていく方針を詳しく説明した。

 4〜9月期の業績については、ブランド事業が苦戦。上山氏は「ミドルロワー(中低価格帯)で在庫が噴(ふ)いた(増加した)」と指摘。比較的安定した大型ブランドで「前年踏襲型の仕入れのような、甘い仕入れが起こっていたという反省がある」と話した。「自分たちはこれで戦うという意思が(仕入れ数量に)入っていたところは十分勝てている」と、仕入れの方法などを下期にかけて見直すことを表明した。

 質疑応答で海外戦略について問われると、上山氏は「現在は韓国、中国、台湾、タイの4カ所で海外事業を展開しており、タイだけが現地企業との合弁」と説明。そのうえで「100%出資して日本から駐在員を派遣する韓国、中国、台湾の方式では損益分岐点が高いため、今後はタイでの方式が基本になる」と話した。ただ、新たな国や地域への進出にてついて「決まったものは何もない」としている。

▽関連記事

関連記事

広告

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

広告

広告

カレンダー

03 | 2024/04 | 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -

広告

★神戸経済ニュースからのお知らせ

広告