(解説)「神戸阪急」 サービス承継などに関心か、ポイント引き継がれず

20180928そごう神戸店地下入口

 エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は27日、そごう神戸店(神戸市中央区)の店名を2019年10月1日付で「神戸阪急」に変更すると発表した。同店舗の運営をH2O傘下の資産運用会社から、阪急うめだ本店(大阪市北区)など旗艦店を運営する阪急阪神百貨店へグループ内で移管するのを機に、店名を変更する。店名変更と同時に、現在の「そごう・西武」のポイントカードは使えなくなる。今後、運営会社の変更によるサービスの継承などに関心が集まりそうだ。

 H2Oの広報室によると、そごう神戸店で買い物すると貯められる「クラブ・オン/ミレニアムポイント」は、セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武(東京都豊島区)傘下の百貨店の共通ポイントのため、「神戸阪急」では使えなくなる。これまでH2Oは暫定的に、そごう神戸店の営業を従来と同じ形で続けてきたが、阪急阪神百貨店の運営に切り替わるのを機にポイントシステムも切り替わる。

 そごう神戸店での買い物で貯まったポイントについて、現時点では阪急阪神グループの共通ポイント「Sポイント」への振り替えや引き継ぎなども予定していない。クラブ・オン/ミレニアムポイントは、そごう西神店などそごう・西武傘下の店舗では引き続き使えるからだ。こうしたポイントサービスなどに関わる通知は1年前をめどに実施する必要があるという。運営体制の変更による「神戸阪急」への店名変更をこの時期に発表したのも、そのためだったようだ。

 たとえば、ダイレクトメールの宛先になる顧客名簿は引き継ぐのか、といった詳しいサービス承継の中身については現時点で決まってないという。運営会社の変更に伴い、サービスは阪急阪神グループの店舗と同様に変更になるとみられるが、その際に引き継ぐサービスの内容や個人情報の扱いなどは、顧客などから大きな関心を集めそうだ。歴史のある百貨店で顧客数も多いだけに、周知が不徹底だと混乱をまねきかねない。

 このほか運営会社が変わることによって、店舗ビルの建て替えについても関心が高まりそうだ。建て替えなどについては「何も決まっていない」(広報室)というが、施設の老朽化が指摘されるなか、三宮再開発も進みつつある。周辺の店舗からは人の流れの変化を気にする声も聞かれた。三宮センター街の老舗商店主は「(三宮センター街は)大丸とそごうの間をつなぐ商店街という面も強く、その片方が変化することで影響は出るのだろうか」と話していた。(神戸経済ニュース 山本学)

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