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(解説)三宮再開発に「各施設で進行ばらばら」の指摘 デザイン統一など急務

20180924都心三宮再整備推進会議

 三宮再開発について行政機関や交通機関、地域団体、学識経験者などで情報を共有する「都心三宮再整備推進会議」では18日に開いた第4回(写真)で、関連する事業がばらばらに進んでおり、結果として完成する姿もばらばらになるのではないかと懸念する学識経験者の声が相次いだ。バスターミナル、市役所本庁舎2号館、「えき≈まち空間」など構想や基本計画などがまとまり、具体的な設計作業へと進みつつあるなかで、デザインのガイドライン作成なども急務になっている。

 神戸市は18日付で、三宮交差点の交通を制限して歩行者中心の広場にする「三宮クロススクエア」を含む「えき≈まち空間」の基本構想を決定。先んじて中央区雲井通に建設するバスターミナルの再開発会社に対する事業協力者が決まり、完成予想図(図=神戸市の発表資料より)も公表された。再開発が進む新港地区と三宮を結ぶ税関前交差点の歩道橋では、設計競技(コンペ)が始まった。それぞれ異なる進め方で、異なる担当者が特に連携した形跡もなく、具体的な事業が進行しているというわけだ。

 神戸芸術工科大学の小浦久子教授(都市計画・景観計画)は、現在の進め方では「1つのまとまりのある都市になるのか不安」と指摘した。バスターミナルも市役所2号館も三宮クロススクエアも、三宮という都心の機能をどのように分担するのか、「マネジメントの仕組みを作ることが必要になるのではないか」と指摘した。特に税関前交差点の「歩道橋はフラワーロードを通じて『えき≈まち空間』に直結する」のだから、あるいはこの段階で歩道橋だけを設計競技にかけるのは無理があるのかもしれない。

20180924バスターミナル想像図

 具体的には、神戸大学の末包伸吾教授(建築学)が「背景になる建物が三宮クロススクエアといかに連結していくかが重要だ」と指摘。具体的にビルを設計する際、壁面にどういった素材を使うのか、どういったデザインを取り入れるのか考えるうえでは、たとえば三宮クロススクエアの路面がどんな色かといった要素は欠かせないというわけだ。そのうえで三宮クロススクエアと直接つながる建築物の「低層部の取りあつかいが重要だと考えている」とみている。

 低層部の外観に統一感を出すことで、街並みを整える取り組みはすでに実績がある。たとえば東京都中央区の日本橋。中央通りに面した軒の高さを第2次大戦前の規制値だった100尺(31メートル)に決め、高層部は後退させて建設することで、日本橋三越や三井本館といった歴史的建築物を景観に取り込んだ。そごう神戸店(神戸市中央区)の外観に張られた鉄板をはずし、1930年代の石造りの外観を部分的にでも復活させる可能性があるのなら、三宮駅前でも同様の取り組みが可能かもしれない。だが現時点では、「全体の空間像がまだちょっと見えない」(末包氏)にもかかわらず、バスターミナルなどは設計の段階に入っていくことになる。

 三宮再開発には将来ビジョンやマスタープランといった上位に相当する計画はあるが、もちろんビルの設計などの細かい点には言及していない。ただバスターミナル、市役所、駅前広場、新たな商業地になる新港地区、それらをつなぐ動線をばらばらに設計して良いはずはない。その一方で、「プロジェクトがばらばらに動かないように調整しながら、全体が遅れないように強力に推進してほしい」(神戸商工会議所の植村武雄副会頭=小泉製麻会長)とスピードアップを求める声も多い。のちの混乱を避けるためにもエリアマネジメント(地域経営)には先手の対応が必須といえる。(神戸経済ニュース 山本学)

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