シスメックス、中国の中小医療施設向け新製品 初のノックダウン生産方式

シスメックス中国向け新製品

 シスメックスは5日、中国の中小医療施設向けに小型の血液検査機器「XS-500ix」(写真=シスメックスの発表資料より)を発売すると発表した。中国では医療需要の増加によって、患者が集中していた大病院から、比較的軽度な患者を中小規模の病院に誘導する制度の運用が進んでいる。今後増加すると見られる中小規模の医療施設で、高機能、高品質の検査機器の需要が増加するとみられることに対応する。

 中国向けの新製品は同社では初めて「ノックダウン生産方式」を採用する。小型の検査機器を組み立てる加古川工場(兵庫県加古川市)では、新製品の主要部品を製造。これを中国済南工場(中国山東省済南市)で組み立て、現地で品質も管理する。中国が同国産の医療機器を優遇しているうえ、中国での組み立てで製造コストも抑えられると判断したとみられる。

 検査試薬は海外にも工場を保有してきたが、これまで同社は品質管理などのため検査機器本体は国内で製造してきた。同社は中国の工場でも、「国内の機器生産でつちかった高品質・高生産効率を実現する仕組みを踏襲」(発表資料)としている。中国はシスメックスの売上高で約4分の1を占める主要市場。同社の血液検査機器を幅広く普及させることで、高い市場シェアを持つ優位性を一段と固める。

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