神戸市、都市空間向上計画で修正案を提示 地域の取り組み、多様性など考慮へ
- 2018/08/29
- 19:15
神戸市が29日に開いた3回目の「神戸市都市空間向上計画策定に向けた有識者会議」(座長・嘉名光市大阪市立大学大学院工学研究科教授)では、6月に開催した前回会合を受けて、神戸市都市空間向上計画の「基本的な考え方」について修正案を神戸市が示した。修正案では、市街化区域に設置する3区域の名称を「駅周辺居住区域」「山麓・郊外居住区域」「防災上課題のある箇所」に改めることなどを示した。有識者らは神戸市の修正案をおおむね了承した。
区域設定については、駅周辺居住区域を駅から800メートル、その外側に山麓・郊外居住区域を置く方針を維持。ただ前回の会合での議論を取り込み、従来通り自治会やまちづくり協議会などの地域共同体の範囲を考慮して、地域に関する施策は必ずしも居住区域の方針にとらわれずに進めることを明示。地域の実情に応じて柔軟に対応することを示した。
さらに駅周辺居住区域と山麓・郊外居住区域について、施策の基本方針を示した。駅周辺居住区域では一定の人口密度を保ちながら、都市機能を維持する。密集市街地の再生なども進める方針などとした。一方、山麓・郊外居住区域では、人口減による空き家や空き地の増加を受けて、住環境の向上に重点的に取り組む必要があることを示した。若い世代の人口流入を促しながらも、住宅ストックの増加を抑制する。
委員からは、山麓・郊外居住区域について「お年寄りと子供の居場所を作ることが居住性の向上につながるケースもあり得る」「区域設定の必要性に加えて、地域の多様性を示すイラストを作成しては」「ミニ開発につながらないよう、土地取引の前に、調整に持ち込む仕組みが必要になるのではないか」といった声が出ていた。
神戸市土地空間向上計画では、50年後でも都市の利便性を維持することを目標に、人口減少で空き家や空き地が増加する「都市のスポンジ化」を防ぐために土地利用を見直す。改正都市再生特別措置法を受けて、コンパクトシティと交通機関を連携させた街づくりを目指した市町村が作成する「立地適正化計画」の神戸市版に相当する。
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