ワールドが持ち株会社制に移行 既存事業の採算向上などねらう

 ワールドは29日、同日開催した取締役会で2017年4月1日をめどに持ち株会社を設立する方針を決めたと発表した。17年3月に臨時株主総会を開いて、新体制への移行を決議する。衣料品通販サイトの急速な普及などを背景に、従来のアパレルブランドは収益が安定しない状態が続いている。分社化で迅速に意思決定し、事業別の採算向上などをねらうようだ。

20161129ワールド持ち株会社導入後組織図

 既成のブランドを業態や販売チャネルごとに分社化する。現時点では持ち株会社の下に国内ブランド事業8社、海外ブランド事業4社、生産や流通など「プラットフォーム事業」の6社がぶら下がる体制(組織図=ワールドの発表資料より)を軸に準備を進めているという。分社化することで、事業別の合併・買収(M&A)や売却などがしやすくなる効果も期待できる。

 各ブランド事業の分社化で魅力的な商品を素早く消費者に届けるのと同時に、生産や流通、店舗づくりや直営の販売店なども「プラットフォーム事業」として個別に分社化するのが特徴だ。販売のためのコストとみられていた分野の収益構造を見直し、グループ全体としての効率化につなげるねらいがあるとみられる。

 持ち株会社のほか、新設する事業会社の名称などは未定。同社は昨年までに旧メディテラス(神戸市中央区)など不動産の売却や希望退職による人員削減、直営店の閉鎖など事業構造改革を進めていた。2016年3月期の連結決算(国際会計基準)は、構造改革費用もかさみ純利益が前の期比84%減の7億4300万円と急減速。売上収益は前の期比7%減の2782億円、営業利益は2.2倍の116億円だった。

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