神戸製鋼の今期、純利益29%減の見通し データ改ざん影響も想定、前期は復配
- 2018/04/27
- 16:55
神戸製鋼所は27日、2019年3月期の連結純利益が前期比29%減の450億円になりそうだと発表した。増収の見通しだが、在庫評価益が減少するほか、原材料やエネルギーの価格上昇を受けて主力の「鉄鋼」や、「アルミ・銅」などが減益になる。アルミ・銅では、品質検査データ改ざん問題の影響も「一定の想定をした」(神戸製鋼の発表資料)としている。今期の配当計画は示さなかった。
売上高は6%増の1兆9900億円、営業利益は38%減の550億円をそれぞれ見込む。鉄鋼は自動車向けや首都圏を中心とした大型再開発で需要は堅調、アルミ圧延品や銅圧延品も堅調な需要を見込む。神戸市灘区の神戸製鉄所跡地に新たな石炭火力発電所の建設を予定する「電力」は、売上高が1%強増加するが経常赤字になる見通しだ。
建設機械は経常利益が4%減の210億円になる見通しと、やや減益ながら神戸製鋼の7事業分野のうち前期に続き稼ぎ頭になる。油圧ショベルの需要は中国を中心に引き続き好調とみる。世界販売台数は前期を上回ると予想している。ただ鋼材など原材料価格の上昇が逆風になるようだ。
同時に発表した2018年3月期の連結決算は、最終損益が631億円の黒字(前の期は230億円の赤字)だった。従来予想である450億円の黒字を大幅に上回った。「各事業においてリスクとして織り込んでいた要素が顕在化しなかった」(発表資料)という。売上高は11%増の1兆8811億円、営業利益は9.1倍の889億円になった。
未定だった前期末の株主に対する配当金は30円。2期ぶりに復配した。
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