(解説)神戸の地価上昇は続くか 商業地「出遅れ修正」にとどまる可能性も

 3月27日に国土交通省が発表した1月1日時点の「公示地価」によると、神戸市都心の商業地で地価上昇が加速していることが分かった。業界関係者の間では、三宮再開発の具体化が地価を押し上げているとの指摘が出ていた。ただ、大阪や京都で先行して地価が上昇したことから、相対的に割安に見えた神戸の土地に買いが入る「出遅れ修正」の可能性も高い。引き続き大阪や京都の地価が上昇すれば神戸の地価も上昇するとみられるが、情勢は微妙といえる。

 公示地価では、神戸市平均では商業地が前年に比べ5.5%上昇、住宅地が0.3%上昇といずれも5年連続で上昇した。商業地では前年の3.4%上昇から上昇率が拡大。地価上昇の加速が鮮明だ。神戸市内で上昇率が最も大きかったのは中央区磯上通8(明治安田生命神戸ビル)で、1平方メートル当たり270万円と前年に比べ25.0%上昇。名古屋市中村区名駅2、京都市東山区三条通大橋東入3と並び、商業地でみて全国6位の値上がり率になった。

20180408商業地3大都市圏の変動率

 商業地の値上がり率は3大都市圏でみて、東京圏や名古屋圏よりも大阪圏が高いのが最近の傾向。背景にあるのは、訪日外国人観光客(インバウンド)需要だ。都道府県別で見ると訪日客がもっとも多く訪れるのは東京都だが、関東1都6県と近畿2府4県を比較すると、近畿を訪れる訪日客数が関東よりも多いとみられている。その玄関口である大阪市と、目的地になる京都市の商業地が買われるのは自然な値動きだ。

 大阪や京都の商業地が先行して上昇したことで、家賃対比の利回りでみた神戸市の商業地が割安に見えていたもよう。つまり大阪や京都に比べて出遅れた神戸の商業地で、地価上昇を受け入れる素地があったといえそうだ。三宮再開発は地価上昇のきっかけにはなった可能性がある。だが、その中心に新築されるJR三ノ宮駅ビルの計画が明らかにならないなかで、三宮再開発だけを手掛かりに大阪や京都よりも低い利回りを、積極的に受け入れるのは難しいだろう。

 したがって大阪や京都の商業地が引き続き上昇すれば、神戸の商業地も引き上げられる公算が大きい。ただ、世界的な投資資金の動きを見ると情勢は微妙だ。米国では連邦準備理事会(FRB)が2020年までの2年間に、おおむね2.0%の利上げするとみられているからだ。既に米国の長期金利は上昇を始めており、米国を中心とした海外の投資家にとって資金調達のハードルが上がったことを意味する。日本では当面、ゼロ金利状態が続く見込みだが、米利上げが進めば土地市場に流入する海外勢の資金が細るどころか、流出を始める可能性も出てくる。米利上げを過小評価せず、中長期的な地価の動向には慎重な見方が必要になるかもしれない。(神戸経済ニュース 山本学)

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神戸市の商業地、地価上昇さらに加速 中央区磯上通で全国6位の上昇率 (2018/03/28)

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